韓国の焼肉は、生の肉を「人分」という単位で頼み、目の前の鉄板で焼いて、サンチュに包んで食べます。
日本の焼肉と一番違うのは、焼くのが自分とは限らないことと、注文の単位が枚数ではなく重さであることです。この二つを知っていれば、店に入ってから迷いません。
要点
- 定番の部位
- サムギョプサル(豚バラ)
- 注文の単位
- 1人分(イニンブン)、2人分からの店が多い
- 焼く人
- 店員が焼いてくれる店が多い
- 切る道具
- ナイフではなくハサミ
- おかず
- おかわり無料の店が一般的
- 向いている人数
- 2人以上。1人可の店は限られる
日本の焼肉との違い
同じ「焼いて食べる肉」でも、韓国の焼肉店は道具も流れも別の料理だと思っておくほうが分かりやすいです。
| 日本の焼肉 | 韓国の焼肉 | |
|---|---|---|
| 注文 | 一皿ごと | 人分(重さ)、2人分からが多い |
| 肉の厚さ | 薄切りが中心 | サムギョプサルは厚切り |
| 焼く人 | 自分 | 店員が焼いてくれる店が多い |
| 切り方 | 最初から一口大 | 鉄板の上でハサミで切る |
| 食べ方 | タレにつける | サンチュで包む |
| つけ合わせ | 注文する | おかずが自動で出る、おかわり無料が一般的 |
網ではなく、脂が流れる溝のついた鉄板を使う店が多いのも見た目の違いです。
まず覚える部位:サムギョプサルとカルビ
メニューは肉の種類と部位、そして味つけの有無で並んでいます。最初の一皿は、この四つから選べば外しません。
サムギョプサル(삼겹살)。豚バラです。厚めに切った、味つけなしの定番です。韓国の表示基準では、あばら骨のあたりから後ろ脚までの腹の部分を、脂の厚さを一定以下に整えたものを指します。脂と焼き色そのものが味になります。
モクサル(목살)。豚の肩ロースです。ロースと頭の間の部位で、いくつもの筋肉が集まっているため脂が細かく入り、繊維はやや粗めです。バラより脂が軽く、噛みごたえがあります。
カルビ(갈비)。骨つきばら肉です。甘めの醤油ダレに漬けたものが多く、豚より牛のほうが高くなります。味がついているぶん、焼きすぎると焦げやすい肉です。
チャドルバギ(차돌박이)。牛の薄切りバラです。数十秒で焼けます。日本の焼肉の感覚に一番近いので、厚切りが重いと感じる人向けです。
注文の仕方
肉は「1人分(1인분、イニンブン)」という単位で売られます。1人分はおおむね150〜200gですが、店によって量も価格も違います。
2人分からという店が多く、1人で入れる焼肉店は限られます。1人旅で焼肉を食べたい場合は、1人用の鉄板を置いている店を探すか、クッパやチゲなど別の料理を選ぶほうが確実です。
最初から多く頼まず、1〜2種類を頼んで、足りなければ追加する流れが普通です。
| 韓国語 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 삼겹살 이인분 주세요 | サムギョプサル イインブン ジュセヨ | サムギョプサル2人分ください |
| 반찬 더 주세요 | パンチャン ト ジュセヨ | おかずをもう少しください |
| 계산해 주세요 | ケサンヘ ジュセヨ | お会計をお願いします |
焼き方と店員の役割
鉄板はテーブルで熱くなっています。肉を並べ、面が鉄板から自然に離れるようになってから返す、という順番です。早く触りすぎると身が崩れます。
多くの店では、店員が焼いて、切って、頃合いで裏返してくれます。自分でやろうとして手を出すより、任せたほうがきれいに焼けます。焦げてきた鉄板も店員が交換してくれます。
焼けた肉は、テーブルのハサミで一口大に切ります。ナイフは出てきません。
サンチュで包む
焼けた肉は、そのまま食べるよりも包んで食べるのが基本の形です。
サンチュ(サニーレタス)を手のひらに広げ、肉を一切れのせ、**サムジャン(쌈장)**という味噌だれを少しつけます。そこに生にんにく、青唐辛子、キムチなどを好みで足し、包んで一口で食べます。
一口で食べきれる量にするのがコツで、欲張って大きく包むと崩れます。にんにくは生のままでも、鉄板の端で焼いてからでも構いません。
おかず(반찬)の扱い
席につくと、頼んでいないのに小皿がいくつも並びます。これが**パンチャン(반찬)**で、料理に含まれています。
多くの店でおかわりは無料です。足りなければ「반찬 더 주세요」と言えば足してくれます。ただし、食べきれないほど何度も頼むのは避けてください。
キムチは、そのまま食べても、鉄板の空いたところで焼いても構いません。焼いたキムチは酸味が落ちて甘くなります。
飲み物
焼肉に合わせる定番は、ソジュ(소주)、ビール(メクチュ、맥주)、その二つを混ぜたソメク(소맥)、そして米から作る**マッコリ(막걸리)**です。
飲まない人はソフトドリンクや水、麦茶を頼めば問題ありません。無理にすすめられる場面は、旅行者の食事ではほとんどありません。
支払いと席のマナー
会計はテーブルではなく、入口のレジでまとめて払う店が多いです。伝票を持ってレジに行くか、そのまま「계산해 주세요」と伝えます。
チップの習慣はありません。
同席者どうしでは、年下の人や誘った人が焼いたり注ぐことが多く、注いでもらうときは両手で受けるのが丁寧とされます。旅行者が細かく気にする必要はありませんが、自分のグラスを自分で先に満たさないという程度を覚えておくと自然です。
料理は中央に置いて分け合うのが前提で、取り分けの皿は各自に配られます。
費用の感覚
焼肉は座って分け合う食事なので、肉の追加、飲み物、締めの麺やごはんで金額が積み上がります。韓国の日常的な外食のなかでは高いほうに入りますが、人数で割ればそれほど負担にはなりません。
価格は店と部位と時期で動きます。この記事では具体的な金額を出しません。店頭やメニューの表示を確認してください。
どこで食べるか
焼肉店は全国どこにでもあります。豚中心の店はサムギョプサルチプ(삼겹살집)、骨つき肉中心の店は**カルビチプ(갈비집)**と呼ばれます。
窓越しにテーブルの上の排気フードが見えたら、焼肉店だと判断できます。
ソウルでは麻浦(マポ)区の合井(ハプチョン)や望遠(マンウォン)、麻浦大路沿い、梨泰院(イテウォン)あたりに独立系の店が集まっていますが、住宅街にも普通にあります。観光地のチェーン店でも困りませんが、地元の店のほうが質と値段の釣り合いは良いことが多いです。
宿の近くで探すのが一番現実的です。どのエリアに泊まるかはソウルの宿泊エリアの選び方にまとめています。
移動と支払いの準備はT-moneyカードの使い方を見てください。焼肉店では現金かカードが基本で、T-moneyは交通用と考えておくほうが確実です。
よくある失敗
- 1人で焼肉店に入ろうとする。 2人分からの店が多く、断られることがあります。
- 肉を早く裏返す。 鉄板から自然に離れるまで待ちます。
- 店員が焼いてくれているのに手を出す。 任せたほうがきれいに焼けます。
- ナイフを探す。 ハサミで切ります。
- 大きく包みすぎる。 一口で入る量にします。
- おかずを最初に食べきる。 肉と一緒に食べるものです。足りなければ頼めます。
- テーブルで会計を待つ。 レジで払う店が多いです。
- 「カルビ」で日本と同じものを想像する。 韓国では骨つき・味つけを指すことが多い言葉です。
よくある質問
サムギョプサルとは何ですか 味つけをしていない厚切りの豚バラ肉です。韓国の焼肉で最も一般的な注文で、迷ったらこれで問題ありません。
肉は自分で焼きますか 店によります。店員が焼いて切ってくれる店が多く、その場合は任せるほうが自然です。自分で焼く店もあります。
1人でも入れますか 入れる店は限られます。2人分からという店が多いためです。1人用の鉄板を置いている店を探すか、別の料理を選ぶほうが確実です。
注文の最低量はありますか 2人分からという店が一般的です。ただし店によって違うので、メニューの表示を確認してください。
おかずは無料ですか 多くの店でおかわりは無料です。ただし店の方針によるため、絶対ではありません。
予約は必要ですか 普段は不要な店がほとんどですが、人気店の週末夜は待つことがあります。名前を書いて待つ形式の店もあります。
辛いものが苦手でも食べられますか 肉そのものは辛くありません。サムジャンは味噌に近く、辛さは強くありません。辛いのはキムチや青唐辛子なので、外せば大丈夫です。
豚肉を食べない場合はどうすればいいですか 牛専門の店を選ぶ方法がありますが、鉄板や器具が共用されることは避けられません。制限が厳しい場合は焼肉店以外を選ぶほうが確実です。
焼肉のあとに頼むものはありますか 締めに冷麺(ネンミョン)やテンジャンチゲ、炒めごはんを頼むのが定番です。メニューの後ろのほうに並んでいます。
出典
公式の情報をもとにまとめています。料金・運行スケジュール・受付条件は変わることがあります。時間に左右される情報は、出発前に公式サイトで確認してください。
最終確認: